ひとつ屋根の下の愛情論
第15章 炎の願い
屋台のあるゾーンに向かって歩くと…
賑やかな人混みの中に…白い着物を着た秋音を発見する。
こんなにも早くアイツを発見した自分の識別スキルに驚く。
が――――隣に寄り添う女子生徒の存在もサーチしてしまう。
アイツを発見と言うことは…
そう言うことだと――――…ゾンビの言葉を思い出す。
“見守ってて欲しいっす”
「――――大人になれってことか?」
俺は二人の背中を見失わないように見つめると…フッと笑って…視線を外した。
これ以上見ても――――…
いいことはない。
だが、俺の足は自然と二人の向かった方に進んでいた。