ひとつ屋根の下の愛情論
第15章 炎の願い
二人が向かったのは…体育館の階段。
少し離れた場所で足を止め客観的に二人を見つめる。
「――――青春…だな」
そう、“青春”その言葉がしっくり来る…場面だった。
高校最後の青春のイベント…
思い描く学園生活と、これからの未来の話を並んで出来る――――…
当たり前の風景。
幸せに――――…
「!――――……」
と、そんな事を考えながら見ていたら…
二人の距離がどんどん…縮まり――――…
重なった。
「――――ほらな…いいことなんて…ねぇ~だろ?」
秋音が…女子生徒とキスをしている。
一度離れ――――再び…
今度は激しく…秋音が彼女を激しく求めているように…俺には見えた。