ひとつ屋根の下の愛情論
第17章 乾きの果て
ホテルを出ると――――雅が「穴場の神社があるんだよ」と、一緒に行こうと俺を誘う。
帰ってもなにもない――――…
素直に雅についていく。
「フフフ…そう言う所――――かわいいよね、律さんって」
「は?バカじゃねぇの」
俺は意味が分からず雅を通り越し…目的地に向かった。
お参りに来るような時間帯じゃないが――――…正月休みの流れでチラホラ参拝客はいた。
「空いてる――――この場所と時間は穴場だね」
住宅地からも飲み屋街からも遠いこの神社…
ホテルからもけっこう距離があった――――…
「こんな地味な神社――――…そりゃぁ穴場だろ…学生見かけねぇし」
「学生?そりゃぁ…あんまり来ないよ…ここは恋愛成就の神様だからね…学問とは別――――」
恋愛成就って――――…確かに…カップルが多い気もする。
「なんで――――ここ?学問の神様の所にしろよ」
雅は笑いながら鳥居をくぐった。