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ひとつ屋根の下の愛情論

第17章 乾きの果て


鳥居をくぐり――――お参りを済ませた参拝客とすれ違う。




――――と、その中に…




「秋――――音…?」




うつむき気味で生気のない顔が…俺の視界に入った。



「秋音!!」


驚きと…出会えた奇跡に――――…声が大きくなった。



「――――…!?」


俺の声に周りの客が数人振り返る、この中に――――…


目を見開き…立ち止まる



秋音がいた。




「――――りつ…か…」


声は届かなかったが…口が俺の名を刻んだのは分かった。



――――会いたかった…



会いたかった…



会いたかった――――…のに、どうした!?



その――――姿…



驚き立ち尽くす秋音の姿は…


文化祭で遠目にみた時より…確実に痩せていた。


しかも――――髪が…思ったよりも延びていて…


パッと見…女性でも通じそうな――――…か細い印象だ。


「おい――――…な、なんで…そんな!?秋音…ちゃんと食ってんのか?」


俺は人をかき分け秋音の肩を掴む――――…


しかし、その掴んだ肩の細さに――――ギョッとした!









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