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ひとつ屋根の下の愛情論

第17章 乾きの果て


「――――…」


「なに?なんで何も言わないの?――――…律さん?」


雅は俺と秋音を見比べて眉間にシワを寄せる。


弟――――と、言いたいのに…秋音の顔を見ると…言えない。


雅は…どう思うだろう…「似てないって!」わらうかな…?

…それもそうだ…痩せて髪も長くなっていた秋音はさらに俺から遠くなっているから。



「秋音…――――その姿…どうしたんだ…本当に…」


俺は距離を縮めながら秋音に近づく。


すでに神社の端に追い込まれた秋音は…ボロボロと涙を流している。


痛しい――――…その姿を…俺は久しぶりに見つめ…



奪いたい――――――――…


そう思った。



ダメだ――――…もう…無理だ――――!





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