ひとつ屋根の下の愛情論
第17章 乾きの果て
「おい――――何…怒ってんだ?」
「怒ってない――――…でも、なんで…なんで…こんなこと…」
秋音は再び涙を流しながら俺を睨む…
「なんでって――――…お前を…手に入れるためだ」
――――やっと…言えた…
俺たちの穏やかな関係は崩れ果てるだろう言葉だが…
俺は自由になれた気がした。
「///は――――…は?…律夏…何を…」
「お前の体を奪い――――…めちゃくちゃにして…2度と女を抱けない体にする…泣こうが喚こうが…止めない」
俺はゆっくり自分の服を脱いでいく…
フワッと――――一瞬…雅の香りがしたが…
秋音の唖然とする姿と怯える涙の前には…ただの通りすぎた通行人の香りに過ぎない…
ましてや……秋音のこれから発する、ありとあらゆる体臭、体液の香りを想像すると――――…
水道水なみの無臭だ……