ひとつ屋根の下の愛情論
第3章 弟の悪夢
病室に向かうと――――…
顔に包帯を巻かれた秋音がベッドで寝ている。
最悪だ――――…なんでもっと早く…俺は行かなかったんだ…
パンなんて――――後でも良かったじゃないか…
なんだかんだと…理由をつけて…行かなかった自分に腹が立つ!
もっと早く俺があの場所に行っていれば…
秋音は…
「うっ――――わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「秋音!?」
いきなり大声で飛び起きた秋音に俺はビックリして押さえた!
「――――触るな!」
ベッドから落ちそうな秋音の体に触れた瞬間!物凄い勢いで拒絶された!
「ヒッ――――ヒッ…ハァハァ…ハァハァ…ハァハァ…触るな…触るな!」
視点が定まらない秋音の目には俺は映っていなかった。
「!、うっ――――うぇぇぇぇ…」
そして、秋音はベッドから転げ落ちるように床に這いつくばると吐き出した!
そして――――バタンと倒れた!
「秋音!誰か――――誰か!」
ナースコールを押しながら俺はひたすら助けを求めた!