ひとつ屋根の下の愛情論
第4章 一押しの食パン
「律夏君がそばにいて助かるよ――――秋音、大丈夫か?」
「///大丈夫だよ――――俺を助けてくれたのは律夏さんだよ?大丈夫だって!」
本当は…退院を急いだから――――…体のあちこちにはまだ打撲痕がある…
カウンセリングだって…本当は通院は必須で、両親に言えない俺は…律夏さんに付き添いをお願いした。
両親に秘密が出来てしまったが…やっと幸せになった父さんと義母には心配をかけたくなかった。
退院し家に帰ると――――…居間の模様替えがされていた。
テレビやソファの場所も変わっていたし…絨毯の色もデザインも――――あの日とはガラッと変わっていた。
「秋音君――――これなら…少しは気持ちが落ち着くかなって、どう?秋音君」
「うゎ!ありがとう――――ごめんね…名古屋から来て疲れてたのに…家具の移動とか大変じゃなかった?」
俺は、あの時とはガラリと変わった居間を眺め――――…
両親に気づかれないようにため息をついた。