ひとつ屋根の下の愛情論
第4章 一押しの食パン
両親は――――俺が犯人にただただ…ボコボコにされたと思っている…
それでいい――――…律夏さんにもそれでお願いしている。
学校側にも…それで通して欲しいと律夏さんに頼んだ。
律夏さんは、何も言わず――――了承してくれた。
俺が退院する時には――――…あんなに楽しみしていた修学旅行はすでに終了していたが、顔の腫れも引き…カウンセリングも順調に進んだと判断してもらえた。
俺は――――早く両親を名古屋に返したかった。
早く――――日常に戻りたかった。
だがら――――…
俺の心がどんな状態でも…かまわなかった。
早く――――…普通に…なりたかった。