ひとつ屋根の下の愛情論
第4章 一押しの食パン
夕方になり――――…
台所で晩御飯の準備をしようと足を踏み入れたが――――…
元栓を見たとたん…体が動かなくなった…
あの日――――
この後…振り替えったら…世界が変わったのだから…
どうしよう――――…“もう、大丈夫”と言った手前…平然とした態度で晩御飯を作らないと…
「――――律夏さん…何…食べたいですか?」
「寿司――――…なぁ、今日は疲れてるし――――外に食いにいかねぇか?寿司ってお前作れねぇだろ?回転寿司なら安くすむだろ~しな?」
そう言うと、律夏さんは居間を出て玄関に向かった。
俺は内心ホッとした…
台所からの――――居間の流れは俺にはまだ、キツかった。
その日は――――初めて二人っきりで律夏さんと外食をした。