ひとつ屋根の下の愛情論
第5章 背中の温もりとか…
「そ~いえば、律夏さんの弟さんってどこの大学希望してるんすか?」
あ――――…そういえば…知らねぇ…
「まさか――――…知らないとか?は?知らないで教えてるんですか?」
木戸に痛いところを突かれて押し黙る。
「きょ…今日――――聞く」
「東大とか言われても、ブチキレないようにしてくださいね!」
は?キレねぇよ!
そもそも、アイツが“東大行きたい”とか言うたまか?
下手すりゃ…進学する意思もないかもしれない…
「アイツ――――やりたいこととか…あんのか?」
ふと、秋音の未来が気になった――――…
このまま…トラウマから解放されない…と、言うリスクだって有るわけだから。