ひとつ屋根の下の愛情論
第7章 日常と後回しの三日月
「性的なイタズラで…性に対しての価値観がねじ曲げられる傾向はよくあるんです。秋音君も――――そうなる可能性はあります」
「具体的に――――どぅ…なるんですか?」
「こればっかりは…人それぞれで、その時の体験やトラウマで変化はします…
例をあげれば――――…ある一定の物にしか興奮しなくなったり、自分に危害を与えない子供に興味をもったり…性犯罪者になったり…」
「は!?秋音が!犯罪者になるって言うんですか!?」
カウンセラーの“もしも”話に俺はイラっとした。
「た、例えばの話です――――…逆に、性的な事に恐怖が消えず…自分の股間を傷つけたり…切り落とした例もあるんです!」
は?――――マジで?
「どんな爆弾を持っているか分かりません――――持っていても、爆発しない場合だってあります!それは――――…本当に分からないんです!
ですから、お兄さん……どんな状況になっても秋音君を理解し受け入れてあげてください。
難しい年頃の男子ですから…性に対して親には言えないことも沢山あるとおもいます。
この、カウンセラーだって…“イタズラ”された事を両親には言わないでくれと……始まったものですから…」
勝手な事を――――…言いやがる。
それが俺の本音だった。
最近の俺だって…自分の【性思考】に戸惑いばかりで――――…
上手に性処理ができないでいるんだ。