ひとつ屋根の下の愛情論
第7章 日常と後回しの三日月
「ただいま――――お~い、大丈夫かぁ~」
「――――…」
玄関を開け――――家に入り声をかけたが、返事はない。
まだ、寝てるのか?
帰り道、買い物した物を台所に置き――――…スーツ姿で客間に向かう。
電気は点いていたが…秋音は俺の布団で寝ていた。
「熱は――――…」
そっと、おでこに手を当てて見ると朝よりは熱は下がっているように感じた。
「ん――――……ん、ぁ…律…夏…?」
目を覚ましたのか…ぼやけた眼差しで俺を探し…視点を合わせ――――…「おかえり」と小声で呟く。
「体調は?大丈夫か?熱は下がったっぽいな…」
ゆっくり体を起こし秋音が布団から顔を出す。
――――と、少し違和感を感じたが…その違和感が良くわからず…俺は首をかしげた。
「なんか――――…あったか?」
そう言うと、秋音は「俺にも…良くわからないんだ」と、変な返事が変えってきた。
「着替えたら飯にしようぜ――――…俺、雑炊しか作れないから…我慢しろよ」
「逆に――――なんで、雑炊は…作れるんだよ…」
寝ぼけているのにナイスな突っ込みに「知らねぇよ!」と、乱暴に返す。