ひとつ屋根の下の愛情論
第7章 日常と後回しの三日月
まだ、だるそうな秋音が食卓に座るとボーッと俺を見ている。
ボーッと見てる…その顔…
熱っぽさもあるだろうが…エロいんだよなぁ。
あの日――――…あの時…
縛られ身動きの取れない秋音を見てしまった俺の…
ねじ曲げられた【性】の後遺症――――…
カウンセラーの先生よ!これはいったい…誰が治してくれるんですかね…
何を考えているのか分からない表情で、雑炊を作る俺を見ている秋音を意識してしまうが…
“違うぞ――――、気を付けろ”
と、脳内性抑制部隊が大暴れしている。
そう、頭では分かってる――――…
俺はゲイじゃないし、縛られ身動きの取れないヤツに興奮する趣味もない。
なのに――――…
秋音の縛られシーンがサブリミナル効果のようにパッ!パッ!と脳内で弾けては消える。
もう、そろそろ――――刷り込み完了しそうです。