ひとつ屋根の下の愛情論
第7章 日常と後回しの三日月
「作ってくれる彼女とか――――いないのかよ」
二杯目を食べながら秋音がそんなことを聞いてきた。
少なからず…そう言う男女の恋愛観に興味があるのか?と、チラッと秋音の顔を見てみる。
「あ――――…今は、いない…」
「ふ~ん、つ~か律夏ってモテそう…でも、彼女に誠実じゃなさそう」
「は?――――誉めてんのか?貶してんのか?」
秋音の俺分析に少しばかりカチンとする。
「――――“私と仕事どっちが大事なの!”とか、言う女ばっかりじゃなかった?」
――――う…鋭い…
確かにあっちからアプローチしてきて、そう言うことを言う女が多かったような気もする。
「あ~…、受験前になると追い込み入って…仕事に集中するから、彼女のメール完全に無視なんだよなぁ……ぶっちゃけ、フラられる時の言葉ベスト1…って感じだな――――それ…」