歪ーいびつー
第2章 小5ー夏ー
ーーーーーー
「きゃーーっっ!!!」
意を決して入った森の中は外から見るよりも真っ暗で、足元には道なんてものはなかった。
頼りない足元を注意深く進んでいると、動物によるものなのか風なのか……時折カサッと葉が擦れ合う音が聞こえてくる。
ーーーカサッ
「いやぁーーっっ!!」
森の中はとても恐ろしくて、もう帰りたいと、ここまでに何度も心の中で思った。
怖くて怖くて……もうそろそろ限界。
森へ入ってからずっと叫んでいるのは私ーーではなくて朱莉ちゃん。
私は恐怖で声すら出せないでいた。
今叫んだら絶対に泣いてしまう。
右隣にいる涼くんの腕にキュッとしがみついて必死に耐える。
ーーーガサッ
「きゃあぁぁーー!!!」
「ちょっ……朱莉、腕がもげる」
そんな声が右隣から聞こえてくる。
あぁ、朱莉ちゃん涼くんの右腕に掴まってるんだな……なんて思う余裕も、今の私にはない。
朱莉ちゃんの叫び声を聞けば聞くほどに恐怖心は増し、ついに私の足はガクガクと震えだした。
「夢、大丈夫?」
そう言って私を心配する涼くんの声は酷く不安気だ。
「きゃーーっっ!!!」
意を決して入った森の中は外から見るよりも真っ暗で、足元には道なんてものはなかった。
頼りない足元を注意深く進んでいると、動物によるものなのか風なのか……時折カサッと葉が擦れ合う音が聞こえてくる。
ーーーカサッ
「いやぁーーっっ!!」
森の中はとても恐ろしくて、もう帰りたいと、ここまでに何度も心の中で思った。
怖くて怖くて……もうそろそろ限界。
森へ入ってからずっと叫んでいるのは私ーーではなくて朱莉ちゃん。
私は恐怖で声すら出せないでいた。
今叫んだら絶対に泣いてしまう。
右隣にいる涼くんの腕にキュッとしがみついて必死に耐える。
ーーーガサッ
「きゃあぁぁーー!!!」
「ちょっ……朱莉、腕がもげる」
そんな声が右隣から聞こえてくる。
あぁ、朱莉ちゃん涼くんの右腕に掴まってるんだな……なんて思う余裕も、今の私にはない。
朱莉ちゃんの叫び声を聞けば聞くほどに恐怖心は増し、ついに私の足はガクガクと震えだした。
「夢、大丈夫?」
そう言って私を心配する涼くんの声は酷く不安気だ。