歪ーいびつー
第18章 ー真実ー
キャンプファイヤーで夢ちゃんの隣に座った俺は、隣にいる夢ちゃんをチラリと盗み見る。
するとそこには、嬉しそうに貝殻の付いたブレスレットを見つめる夢ちゃんがいた。
先程、川へ遊びに行った時に涼から貰った貝殻。それを、どうやらお揃いのブレスレットにした夢ちゃんは、おそらく涼にあげるつもりなのだろう。
嬉しそうに片方のブレスレットを自分の手首に付けた夢ちゃんを見て、俺は激しく嫉妬した。
初めて夢ちゃんに出会った時から、いつだってその隣には涼がいた。
一目見た時から、夢ちゃんを自分のものにしたいと思った俺は、涼が邪魔で邪魔で仕方がなかった。
涼が邪魔だった俺は、優雨ちゃんと涼がぶつかり合ってお互い潰れてしまえばいい。そう思っていた。
正義感の強い涼は、きっと優雨ちゃんから夢ちゃんを守ろうとするはず。
優雨ちゃんは単純だから、俺が少し煽《あお》るとすぐに嫉妬心を剥《む》き出した。
……早く何か起こらないかなー。
俺は夢ちゃんから視線を外すと、目の前で勢いよく燃え上がる薪を見つめて小さく微笑んだーー。