歪ーいびつー
第2章 小5ー夏ー
「「「「「夢! 」」」」ちゃん! 」
近くにはいたものの、バラバラだった皆が私の元へと集まってくる。
「ほら、夢。そんなところにいつまでも座ってちゃ駄目だよ」
「夢ちゃん、痛いところない? 」
奏多くんが私を抱き起こすと、楓くんが心配そうに私の手や身体に付いた土や葉っぱを払ってゆく。
「夢、大丈夫……? 」
「こめん、夢。光につられて虫が寄ってきたんだ。……夢虫嫌いだもんな。ホントごめんな」
心配そうに見つめる朱莉ちゃんと、申し訳なさそうな顔で見つめる涼くん。
涼くんのせいじゃないのに……。
「っ……ぅ……っ……こわっ……ぃぃ」
涼くんのせいじゃないよって伝えたいのに、それ以上に怖くて怖くてーーわたしの口からは怖いしか出てこない。
「ほらぁ、夢。もう泣かないで? 怖くないから……ね? 」
ハンカチで涙を拭いてくれる優雨ちゃん。
その声はとても優しくて安心する。まるでママみたい。
拭っても拭っても溢れる涙を、優しく何度も拭いてくれる。
「皆で一緒に行くんでしょ? 」
優雨ちゃんに優しくそう問われ、私は涙を流しながらも小さく頷く。