歪ーいびつー
第2章 小5ー夏ー
ーーーパシャパシャッ
ーーーパシャパシャッ
ヒンヤリとして凄く気持ちがいい。
私は視線を下へと移すと、ユラユラと揺れる水面から見える自分の足を眺めた。
水がとても綺麗だから本当に透明で、地上で見る自分の足となんら変わらなく見える。
私達がテントを張っている近くの川は水嵩《みずかさ》が高いからと禁止されていて入れないけど、ここの川は流れも穏やかでとても浅いのでこうして入ることができる。
滝の近くは他とは違う水の色をしているから、やっぱり深いのだろう。
滝の側に行かなければ入っても大丈夫だよと、涼くんがさっき皆に言っていた。
暫く足元を眺めていると、キラリと光るモノが見えた気がした。
……なんだろう?
気になった私は、膝丈まであるワンピースを太もも部分で結ぶとその場へしゃがみ込んだ。
ーーーサラサラ
軽く手でかき分けて見る。
ーーーサラサラ
ーーーサラサラ
「夢何してるのー? 」
少し離れた所から朱莉ちゃんが聞いてくる。
ーーーサラサラ
「……うーん」
ーーーサラサラサラサラ
夢中になっている私は、朱莉ちゃんからの質問に「うーん」と唸るだけという、全く答えになっていない返事をする。