歪ーいびつー
第4章 高1ー春ー
「夢ちゃんと朱莉ちゃんと同じクラスで良かった~」
「良かったわね。私は離れちゃったけど」
入学式も無事に終わり、私達は五人で集まってある場所へと向かっていた。
その道すがら、私と同じクラスになった楓くんがニコニコ話す横で、優雨ちゃんはキッと楓くんを睨んでいた。
徒歩圏内の学校だからという理由もあるのかもしれないが、私を含む五人全員が桜ヶ丘高校へと進学した。
頭の良い優雨ちゃんと奏多くんが桜ヶ丘高校へ進学すると言った時には、当時随分と驚いた。
二人ならもっとレベルの高い高校へ行けるのに……。
それでも、こうして五人揃って高校生活が送れると思うと素直に嬉しい。
ほどなくして、目的地へと着いた私達は足を止めた。
【永井】と表札のかかった家のインターホンを奏多くんが押す。
「ーーはい」
「こんにちは、山城です」
「あら、奏多くん。今開けるわね」
そんなやり取りをした後、数秒後に開いた目の前の玄関扉。
「「「「「こんにちは」」」」」
「こんにちは。どうぞ中に入って」
そう言って穏やかに出迎えられた私達は、軽く会釈をすると家の中へと入って行った。