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歪ーいびつー

第2章 小5ー夏ー

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「夢って涼の事好きなの?」
「……えっ?!」

突然の質問に、驚いた私は軽く地面に刺さっていたペグを引き抜いてしまう。
あぁ、やっと刺さったと思ったのに……。
なんて思っていると、少し強めの風にテントがぐらつく。

「わぁー!ちょっ……夢。何やってるの!」

焦る朱莉ちゃんの声に、ハッとする。

「……あっ。ご、ごめんね」

急いでテントの端を掴むと、またペグを打ち込む作業に戻る。だけど、中々上手く刺さってくれない。

「ーーけどさ、涼は絶対に夢の事好きだよねー」

カンカンカンカン
ペグを打ち込みながら、また朱莉ちゃんが話し始めた。

「優雨もそう思うでしょ?」
「……そうだね」

興味がないのか、素っ気なく答える優雨ちゃん。
私はこの会話が恥ずかしくて、ただ黙々とペグを打ち込む作業を続ける。それにしても刺さってくれない。
カンカンカンカン鳴り響くだけでペグは中々埋まってゆかず、ただただ右手の疲れが増す一方。
「できたー!」と言う朱莉ちゃんの声に焦って自分の手元を見てみると、ペグはまだ半分も刺さっていない。

「私がやるよ」

いつの間にいたのか、自分の分のペグを刺し終わった優雨ちゃんが、すぐ隣にしゃがんで笑顔で右手を差し出してきた。

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