歪ーいびつー
第4章 高1ー春ー
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「あっあれだ。……へ~意外と少ないんだね」
「まぁ、定期的に先生達が片付けてるんでしょ」
「えー!? 片付けられちゃったら意味ないじゃん……」
「とりあえず出てみよう」
『みんなで鈴付けよう』昨日朱莉ちゃんにそう言われた私達は、昼休みに五人で集まって屋上へと来てみた。
由紀ちゃんから聞いたこの学校のジンクスは、実際に見てみると私の想像とは少し違っていて、フェンスに付けられた鈴は三組みしかなかった。
「本当にやるの? 」
「やるよー。鈴だってちゃんと買ってきたんだから」
そう言って皆に鈴を配り出す朱莉ちゃんは、私の掌に鈴を二つ置いた。
「夢ちゃんは二つ……? 」
私の掌に置かれた二つの鈴を見た楓くんが、不思議そうな顔をする。
昨日、鈴を買いに行くと言っていた朱莉ちゃんに、私は涼くんの分も欲しいと頼んだのだ。
「うん。これは……涼くんの分」
「夢ってまだ……」
楓くんと私のやり取りを見ていた優雨ちゃんが何か言いかけて、「ううん。……何でもない」と少し寂しそうな顔で微笑む。
「じゃあ、付けよっか」
楓くんの発した言葉を合図に、フェンスに取り付けた金具に皆で鈴を付けてゆく。
「いつまでも皆で一緒にいられるといいね」
ポツリと呟く優雨ちゃんの言葉を聞きながら、私は鈴を見つめてコクリと頷いた。
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「あっあれだ。……へ~意外と少ないんだね」
「まぁ、定期的に先生達が片付けてるんでしょ」
「えー!? 片付けられちゃったら意味ないじゃん……」
「とりあえず出てみよう」
『みんなで鈴付けよう』昨日朱莉ちゃんにそう言われた私達は、昼休みに五人で集まって屋上へと来てみた。
由紀ちゃんから聞いたこの学校のジンクスは、実際に見てみると私の想像とは少し違っていて、フェンスに付けられた鈴は三組みしかなかった。
「本当にやるの? 」
「やるよー。鈴だってちゃんと買ってきたんだから」
そう言って皆に鈴を配り出す朱莉ちゃんは、私の掌に鈴を二つ置いた。
「夢ちゃんは二つ……? 」
私の掌に置かれた二つの鈴を見た楓くんが、不思議そうな顔をする。
昨日、鈴を買いに行くと言っていた朱莉ちゃんに、私は涼くんの分も欲しいと頼んだのだ。
「うん。これは……涼くんの分」
「夢ってまだ……」
楓くんと私のやり取りを見ていた優雨ちゃんが何か言いかけて、「ううん。……何でもない」と少し寂しそうな顔で微笑む。
「じゃあ、付けよっか」
楓くんの発した言葉を合図に、フェンスに取り付けた金具に皆で鈴を付けてゆく。
「いつまでも皆で一緒にいられるといいね」
ポツリと呟く優雨ちゃんの言葉を聞きながら、私は鈴を見つめてコクリと頷いた。