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歪ーいびつー

第5章 奏多

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風に揺れてサラサラと揺れる少し色素の薄い綺麗な髪。ピンクのワンピースを着てちょこちょこと歩く女の子。
俺はその後ろ姿に向かって声を掛けた。

「ーー夢」

俺の声に反応して振り返った夢。
その顔はとても愛らしく、まるで天使のようだ。
垂れ目がちの大きな瞳は、俺を捉えると優しくその形を変える。
クスリと笑った夢は、「奏多くん、食材ありがとう」と言ってまるで花が咲くように笑った。

三年でクラスが同じになった事がきっかけで仲良くなった夢。
気付けばいつも側には夢がいた。
あれから二年経った今でも変わらず側にいる夢。
いつからか気付いたら俺は……夢を好きになっていたんだーー。





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「ひゃっ……やぁぁー! 」

少し前を歩いていた夢が突然叫び声を上げて後ろへ下がると、そのままよろけて尻もちを着いた。

「いやぁー……っぅ……こわい゛ぃぃ……ぅぅぅっ……おうちっ……かえりたっ……いぃぃ……ぅ……こわっ……いよっ……ぉぉっ……ヴっ……こわいっ……ぃぃ~っ……」

我慢しきれなくなったのであろう夢が、転んだまま泣き始める。


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