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歪ーいびつー

第7章 ー5月ー



空き教室に着くと、奏多くんに投げ入れられるようにして中へと入れられた私は、その勢いに体制を崩して床へと倒れこんだ。
痛さと仕打ちに耐えられなくなった私は、とうとう泣き出してしまう。

「夢、約束破ったね」

そう言って近付いてくる奏多くん。

「はなっ……して……っぅな……いぃっ……はっ……なしっ……て……なっ……ぅぅっ」
「夢は本当に悪い子だね……」

私が泣きながら何度も話していないと訴えても、奏多くんは全く信じてくれようとしない。

「悪い子にはお仕置きが必要だね」

そう言うと、奏多くんは床に座り込んでいた私を押し倒した。
馬乗りになった奏多くんは、私の制服のリボンを解くと胸元を開き始める。

「……やっーー! んっ……んー」

辞めてと言おうとした私の口を片手で塞ぐと、奏多くんは私の首元をペロリと舐め上げた。
何度もチクリとした痛みを首元や鎖骨に与えられた後、塞がれていた口を一度解放されると今度は奏多くんの唇で塞がれる。
数回角度を変えてキスをされた後、突然ヌルリと口内へと侵入してきた奏多くんの舌。

嫌で嫌でたまらない。
それでも、逃げては捕まる私の舌。
覆いかぶさる奏多くんを退かそうと押してみてもビクともしない。
どう頑張っても逃げられない状況に、私はただ泣きながら奏多くんに口内を侵され続けるしかなかったーー。

ようやく塞がれていた口が解放されると、私は新鮮な空気を求めて荒く呼吸を始めた。
そんな私を見下ろす奏多くんは、私の首から鎖骨へと手を滑らせて恍惚《こうこつ》とした表情をさせる。

「……虫除け。夢は虫が嫌いでしょ? 」

そう言って妖しく微笑む奏多くんは……とても恐ろしかったーー。



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