歪ーいびつー
第12章 優雨 3
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トイレから出た私は、朱莉を置いて急いで夢が待つテントへと向かっていた。
思ったよりトイレが混んでいて時間がかかったので、たぶん夢は寂しがっているだろう。
テントへ着くと、入り口を捲《まく》って中を覗いてみる。
すると、小さな寝息を立てて夢が眠っていた。
私は眠っている夢に近付くと、その場にしゃがんで綺麗な夢の寝顔を覗き込む。
チラリと視線を移すと、ワンピースから覗く細い脚が目に入った。
真っ白でとても綺麗な脚を見た私は、思わず触れてみたくなった。
……少しだけ。そう思った私は、夢の脚にそっと手で触れてみる。
ツルツルとした肌はとても気持ちが良く、私は触れている手を太腿《ふともも》まで移動させた。するとその時、夢が微かに動いて驚いた私は慌てて手を離した。
夢の顔を覗いてみると、その瞼はきっちりと閉じられていて、起きる気配など全くない。
閉じた瞼からはフサフサとした長い睫毛が生え、眠っていても天使のような夢はとても綺麗だった。
「夢……」
私は小さく呟くと眠っている夢にキスをした。
「何やってるの? ……優雨」
ーーー!?
突然背後から聞こえてきた声に驚き、私は急いで顔を上げると後ろを振り返った。
するとそこには、怪訝そうな顔をしながらテントへ入ってくる涼がいた。
「……っ! ……べ、別に」
焦った私はそう答えると、足早に涼の横を通り過ぎてそのままテントを出た。
……見られた。涼に見られた。
私は唇をキュッと噛み締めて、バレてしまった事への恐怖心を振り払うかのように、ただずっと走り続けたーー。
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トイレから出た私は、朱莉を置いて急いで夢が待つテントへと向かっていた。
思ったよりトイレが混んでいて時間がかかったので、たぶん夢は寂しがっているだろう。
テントへ着くと、入り口を捲《まく》って中を覗いてみる。
すると、小さな寝息を立てて夢が眠っていた。
私は眠っている夢に近付くと、その場にしゃがんで綺麗な夢の寝顔を覗き込む。
チラリと視線を移すと、ワンピースから覗く細い脚が目に入った。
真っ白でとても綺麗な脚を見た私は、思わず触れてみたくなった。
……少しだけ。そう思った私は、夢の脚にそっと手で触れてみる。
ツルツルとした肌はとても気持ちが良く、私は触れている手を太腿《ふともも》まで移動させた。するとその時、夢が微かに動いて驚いた私は慌てて手を離した。
夢の顔を覗いてみると、その瞼はきっちりと閉じられていて、起きる気配など全くない。
閉じた瞼からはフサフサとした長い睫毛が生え、眠っていても天使のような夢はとても綺麗だった。
「夢……」
私は小さく呟くと眠っている夢にキスをした。
「何やってるの? ……優雨」
ーーー!?
突然背後から聞こえてきた声に驚き、私は急いで顔を上げると後ろを振り返った。
するとそこには、怪訝そうな顔をしながらテントへ入ってくる涼がいた。
「……っ! ……べ、別に」
焦った私はそう答えると、足早に涼の横を通り過ぎてそのままテントを出た。
……見られた。涼に見られた。
私は唇をキュッと噛み締めて、バレてしまった事への恐怖心を振り払うかのように、ただずっと走り続けたーー。
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