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歪ーいびつー

第13章 ー6月ー



「夢ちゃん、学校で何かあった? 」

仏壇前でただ黙って座る私の横で、涼くんのお母さんが心配そうな顔をして尋ねてくる。

昨日の一件で学校へ行くのが怖くなってしまった私は今、学校を休んで涼くんの家へと来ていた。
学校に行っているはずの時間帯に訪れた私に驚きながらも、涼くんのお母さんは優しく迎え入れてくれた。

私は今、無性に涼くんに会いたくてたまらなかった。ずっとずっと寂しかった。
でも、頑張らないといけないって自分を奮い立たせて今までずっと頑張って来た。
ーーそれも……もう限界。
どうして涼くんは私を置いていなくなってしまったの?どうして今、私の隣にいないの?
もう私……一人じゃ無理だよ。
……助けて……涼くん。
我慢しきれなくなった私は、涼くんのお母さんの前で大声を上げて泣き出した。

「涼くん! ……涼くん! ……っ涼くん! 」

ただずっと涼くんの名前を呼びながら泣き続ける姿を見て、涼くんのお母さんは優しく私を抱きしめる。

「……っ……夢ちゃん。ごめんね……っ……本当にごめんなさい……っ」

そう言って優しく背中をさすってくれる涼くんのお母さん。
その手が何だかとても暖かくて……何故だか私の瞳からは余計に涙が溢れたーー。

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