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はるのかぜ

第49章 ハル、電波に乗る

初収録を終えた、ある日、授業を終えたハルは麻里と涼と一緒に話しながら帰っていました。

「ねぇ、そう言えばハルっていつからラジオに出るの?」

麻里が尋ねました。

「一応、来週の水曜日の予定よ。一昨日、収録はしたの。」

「来週の水曜なら、私聞けそう。」

涼が答えました。

「私も空いてる。」

麻里も嬉しそうに答えます。

「いやー、あれは聞かないほうがいいわよ。もう私、緊張しちゃって、何言ったか覚えてないもん。」

ハルが恥ずかしそうに言います。

「私は聞きたいわよ。だって、友達が初めてラジオに出るんだもん。」

涼は楽しそうに答えます。

「私も。そう言えば、あの番組って何時からだったっけ?」

麻里が尋ねます。

「夜の8時からよ。」

「そっか、じゃあ3人で集まって聞かない?ちょうど夕食時だし、私の家でご飯でも食べながら。」

麻里のその発言に涼も賛同します。

「いいね。ご本人様を目の前にして聞こう!いいでしょ、ハル?」

「う、うん。」

ハルは自分の番組を聞きたい気持ちではありましたが、同時にちょっと恥ずかしさもある複雑な気持ちでした。

翌週の水曜日、麻里の家にはハルと涼が集まっていました。

「そろそろ始まるんじゃない?」

時計を見た涼が言いました。

「本当だ。じゃあ、ラジオつけてみるね。」

麻里がラジオの電源を入れ、チューニングを合わせると、CMが流れていました。そして、数分後、午後8時を告げる時報が鳴りました。

「いよいよ始まるわね。」

時報を聞いた涼は大興奮です。

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