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はるのかぜ

第50章 教職科目が始まった

1年の後期になり、ハルはFM制作部のレギュラー番組を担当するという変化がありました。それと同時に、もう1つ変化がありました。教師を目指すハルには重要な教職科目がスタートしたのです。まずは、その教職科目の第一歩、「教師論」を受講するため、ハルは教室へと向かいました。いつも仲良くしていた麻里や涼、さらにはラジオ番組の相方、達也はみんな教職科目の履修はしておらず、大講義室には見知らぬ顔ばかりです。ハルも少し緊張した様子で授業の開始を待っていました。しばらくして、始業を告げるチャイムが鳴り、1人の女性教師が入ってきました。

「皆さん、おはようございます。教職課程の担当をしております加藤と言います。よろしくお願いします。」

入ってきたのは、教職課程担当の加藤由紀先生でした。

「では、今日が皆さんにとって、この授業は初めてですので、授業の内容や目的について説明します。じゃあ、まずはプリントを配布しますね。」

そう言うと、加藤先生は教室に居る学生にプリントを配布しました。

「今、お配りした内容はこの授業のシラバスを印刷したものです。じゃあまずは授業の一般目標という所から見ていきましょう。じゃあ、そこに居る君、一般目標というところを読んでもらえるかなぁ?」

加藤先生は近くにいた男子学生を当てました。

「教職についての知識を身につけることで、教職に対する関心を高め、教師とはどのような職業なのかを十分理解することができる。」

「はい、ありがとうございます。ここにいらっしゃる皆さんは、恐らく教員免許を取得し、最終的には教師を目指していらっしゃるかと思います。教職志望の皆さんにとってはこの科目が教職科目の中で最初に履修する科目となります。もちろん、教師という仕事をある程度は理解されてる上で受講されている方がほとんどだとは思いますが、この授業では改めて教師とはどんな職業なのかを再認識するとともに、今まで皆さんがイメージをしていなかった部分の教師の仕事もご紹介できればと思います。じゃあ、次は君、到達目標の1番の項目を読んでもらえますか?」

続いて、加藤先生は近くにいた別の男子学生を当てました。

「教師の仕事とその特性について、学校制度や法令を踏まえたうえで理解できる」

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