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「はい、ありがとうございます。学校制度や法令という言葉が出てきましたが、皆さんが目指す教師の仕事はもちろん教育をすることです。しかし、ただなんでもかんでも教えればいいという訳ではありません。学校教育においては、国がきちんと定めた制度や法律が存在します。そんな制度や法律についてもこの授業では学んでいきます。じゃあ次は君、到達目標の2番の項目を読んでください。」

今度は女子学生を当てました。

「貧困や不登校、虐待など子どもの現代的課題を理解し、教師としてこれら課題に対して真摯に対応する態度を身に付ける。」

「はい、ありがとうございます。学校にはいろんな生徒が在籍しています。時には貧困な家庭の生徒、不登校の生徒、それから、テレビのニュースで時々話題になる虐待を受けた子供たち。もし、このような課題に教師となった皆さんが直面したとき、どう対処をしていくべきか学びます。じゃあ、今度は君、到達目標の3番の項目を読んでください。」

続いては男子学生を当てました。

「不適切な指導にあたる行為を具体的に理解し、望ましい教師像について、受講者一人一人が具体的なビジョンを持てるようになる」

「はい、ありがとうございます。先ほど、虐待がニュースで話題になるとお話ししましたが、逆に教師が生徒に対して問題となる指導をしたというニュースもよく話題になるかと思います。教師はただ指導をすればいいというものではありません。生徒のことを考えながら適切に指導していく必要があります。そんな望ましい教師像について学習します。じゃあ、最後は君、読んでください。」

加藤先生はハルを当てました。

「受講生が見出した望ましい教師像に向けて、意欲をもって学習できるようになる。」

「はい、ありがとうございます。この授業の到達目標に望ましい教師像を理解していくというものがありました。その理解を生かして、皆さんが望ましい教師になるにはどうすれば良いのかを自分の力で考えられるようになれるというところまでを最終的な目標にしたいと思います。」

これが、ハルにとっての教師への道の第一歩でした。ハルは加藤先生が語る一言一言に興味を示していました。ハルはシラバスにも書いてあった「望ましい教師」を目指して、一歩一歩歩んでいくのでした。