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はるのかぜ

第51章 少し疲れてきた大学生活

「そっか、みんなもう3年生だもんね。でも、みんな元気そうで安心したよ。」

「櫻井先輩も元気そうで安心しました。仕事はどうですか?」

吾郎が延秀に尋ねました。

「まぁ、順調と言えば順調かなぁ。学生時代と比べると忙しいけど。」

「そうなんですね。もっとゆっくり話してたいんですけど、僕、このあとバイトがあるんで今日はこれで失礼します。」

そう言うと、吾郎は自分の荷物を片手に部室を出ていきました。

「おぉ、お疲れさん。」

延秀が見送ります。

「じゃあ、僕も今日は帰ります。」

達也も自分の荷物を持って部室を出ていきます。

「お疲れ!」

延秀は吾郎同様に達也を見送ります。

「ハル、お前ももう帰るのか?」

「はい。」

「よかったら、送るよ。どうせ帰り道の途中だし。」

「いいんですか。ありがとうございます。」

ハルは延秀の車で自宅へと向かいました。車に乗っている最中、再びハルを眠気が襲い、いつの間にか延秀の車で眠っていました。

「ハル、着いたぞ!」

延秀の声でハルは目覚めました。

「あっ!すいません。」

「大分疲れてるみたいだな。」

「はい。3年になると専門科目も増えて、授業も多くて…。」

「うん、俺もそうだった。」

「正直言うと、FMとの両立も難しいのかなぁって最近思ってます。」

「そっか。確かに無理はしちゃいけない。体が大事だからね。まぁ、留年した俺が言うのもどうかと思うけど、大学の科目は完璧を求めなくても大丈夫。再試でも受かれば単位になるから。」

「そうですね。」

「それにね。サークル活動って考えると遊んでるように見えるけど、社会に出たらわかるよ。FMの活動は意外なとこで役に立つから。」

「そうなんですね。すいません、変なこと言っちゃって。」

「とんでもない。人間誰しもが悩むことはあるから。」

「ありがとうございます。先輩もお仕事頑張ってくださいね。」

「おう。ありがとう。」

そう言ってハルは延秀の車を降りました。延秀の励ましはハルの心に響きました。疲れかけていた大学生活でしたが、無理をしない程度に頑張っていこうと思ったハルでした。

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