はるのかぜ
第53章 久しぶりの母校
夏のある日のことでした。青美(せいび)中等教育学校の最寄りのバス停に1台のバスが止まり、中から1人のスーツ姿の女性が降りてきました。その女性とは、もちろんハルです。今日は、教育実習の事前手続きのため母校までやって来たのです。
「懐かしい。」
3年ぶりに降りた母校の最寄りのバス停付近の風景は、ハルが在学していたときとあまり変わっておらずハルは思わずこう呟きました。周りの風景を少し眺めたハルは母校へと続く長い坂道へと向かいました。仲の良かった有紀、愛、ミカ、彩と一緒に毎日登り続けたあの坂道をハルは3年ぶりに登ります。ハルの頭の中には3年前のあの日の思い出が甦ります。有紀たちもどこかから出てくるのではないかとも思っていました。ハルは坂の途中から見える景色をゆっくり眺めながら母校へと歩んでいきます。
母校へたどり着いたハルは、事務室にいた女性に声をかけます。
「おはようございます。すみません。教育実習の事前手続きのためにやって参りました。内海です。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
そう言うと、その女性は内線連絡を取り始めました。
「今から、担当者がこちらに参ります。少々お待ちください。」
「わかりました。」
ハルはしばらく事務室の所で待っていました。
「内海!」
背後から聞き慣れた男性の声が聞こえました。
「先生!お久しぶりです!」
国分先生の姿を見たハルは笑顔で返答します。
「元気だったか?」
「はい。」
「しばらく見ない間に少し大人びたな。」
「私ももう二十歳ですから。」
「そうだよな。よし、じゃあ早速、教育実習の手続きに入ろう。こっちに来てくれるか?」
そう言うと、国分先生はハルを2階へと誘導しました。
「懐かしい。」
3年ぶりに降りた母校の最寄りのバス停付近の風景は、ハルが在学していたときとあまり変わっておらずハルは思わずこう呟きました。周りの風景を少し眺めたハルは母校へと続く長い坂道へと向かいました。仲の良かった有紀、愛、ミカ、彩と一緒に毎日登り続けたあの坂道をハルは3年ぶりに登ります。ハルの頭の中には3年前のあの日の思い出が甦ります。有紀たちもどこかから出てくるのではないかとも思っていました。ハルは坂の途中から見える景色をゆっくり眺めながら母校へと歩んでいきます。
母校へたどり着いたハルは、事務室にいた女性に声をかけます。
「おはようございます。すみません。教育実習の事前手続きのためにやって参りました。内海です。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
そう言うと、その女性は内線連絡を取り始めました。
「今から、担当者がこちらに参ります。少々お待ちください。」
「わかりました。」
ハルはしばらく事務室の所で待っていました。
「内海!」
背後から聞き慣れた男性の声が聞こえました。
「先生!お久しぶりです!」
国分先生の姿を見たハルは笑顔で返答します。
「元気だったか?」
「はい。」
「しばらく見ない間に少し大人びたな。」
「私ももう二十歳ですから。」
「そうだよな。よし、じゃあ早速、教育実習の手続きに入ろう。こっちに来てくれるか?」
そう言うと、国分先生はハルを2階へと誘導しました。