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はるのかぜ

第59章 慌ただしく過ぎ去った1日

演劇部員の帰宅を見届けた後、ハルは再び赤西先生と話ながら職員室に戻りました。

「結構、自分達でしっかりやってるでしょ。」

「そうですね。」

「あんな感じに基本は生徒たちにお任せしてるんで、私も仕事の合間を縫って様子を見に来る感じです。内海先生も実習の準備とか最優先で動いていただいて大丈夫です。」

「わかりました。」

ハルの教育実習1日目はまもなく終了します。帰宅の準備をし、職員室に向かいました。教育実習生用の出席簿が置いてある近くに森内教頭が居ました。ハルは森内教頭に一声かけます。

「お疲れ様です。今日はこれで失礼します。」

「お疲れ様でした。どうでしたか、今日1日?」

「まだ、今日は大したことはしてないんですが、国分先生の授業を見学したとき、生徒に問題の解き方を教えまして、そのときに言われた「ありがとうございます。」の一言が嬉しくて。改めて、教えることの楽しさを実感しました。」

「そうですか。これから、研究授業などに向けて大変だと思いますが、無理をしない程度に頑張ってください。」

「はい。」

「1日、お疲れ様でした。」

「お疲れ様です。」

森内教頭に挨拶をしたハルは、そのまま職員室を出ました。こうして、ハルの教育実習1日目は慌ただしく過ぎ去ったのでした。ハルの教育実習生活はまだまだ続きます。

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