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はるのかぜ

第63章 ハル、授業に参加

教育実習中のハルは指導案を作りつつ、合間で他の先生が実施する授業を見学するという生活を送っていました。指導案を作りながらハルはふとあることが気になりました。自分がよくお世話になっている亀梨先生って何の教科の先生なんだろうということです。ハルは早速、国分先生から貰っていた時間割のリストから亀梨先生の名前を探します。亀梨先生の名前を見つけたハルは一瞬驚きました。なんと亀梨先生も数学の先生だったのです。授業を見学する気になったハルは職員室へと向かいます。空き時間だった様で亀梨先生は席に座って何か仕事をしていました。

「亀梨先生。お忙しいところすいません。亀梨先生の授業も見学させていただきたいと思ってご相談に参りした。」

「私の授業ですか?じゃあ、私は元々中学校の教員なんで、この時間とかどう?」

亀梨先生はハルに日課表を差し出して言いました。

「大丈夫です。じゃあ、よろしくお願いします。」

数時間後、ハルは亀梨先生とともに3年生の教室へと向かいました。

「じゃあ、号令お願いします。」

「起立!気をつけ!礼!」

「お願いします。」

「皆さんもうお気づきかと思いますが、教育実習の先生が授業の見学に来られてます。」

亀梨先生の一声でハルは立ち上がり、生徒たちに挨拶をします。

「教育実習生の内海と言います。よろしくお願いします。」

「よし、じゃあ授業を始めましょう。今日は教科書52ページ。平方根の内容が前回で終わったんで、復習問題をやっていきましょう。じゃあ、5分取ります。まずは皆さん問題を解いてください。」

亀梨先生がそう言うと生徒たちは一斉に問題を解き始めます。同時に亀梨先生は生徒たちが解いている問題を黒板に書き始めました。その問題を見たハルは自分の得意分野だったので、持っていたメモ紙に解き始めました。

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