無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

それは、ハルにとって、とある空き時間のことでした。ハルは教育実習生用の控室で自分の授業の準備をしていました。すると、誰かがドアをノックする音が聞こえました。

「はい。」

「どうだ、授業の準備は？」

入って来たのは国分先生でした。

「少しずつですが、前には進んでます。」

「そっか。私なんだけど、今から出張に行くことになって、そのまま帰宅することになったから。」

「そうなんですね。」

「もし何かあったら、亀梨先生や教頭先生に相談してもらったら大丈夫だから。」

「わかりました。」

「じゃあ、お疲れさん。」

「お疲れ様です。」

ハルがそう言うと、国分先生は去っていきました。

それから、数時間経った時のことでした。掃除の時間となったため、ハルはいつもどおり国分先生の担当場所へと向かおうとしました。その時、ハルはふと気づいたのです。特別教室の掃除を担当している国分先生はいつも職員室から鍵を持って、教室の鍵を開けていたのです。その国分先生が出張ということは、誰も教室に入ることができないでいるのでは？と思ったのです。ハルは大急ぎで職員室に戻り、鍵を片手に掃除場所へ走ります。掃除場所に近づくと生徒たちの愚痴が聞こえてきました。

「国分マジ遅い！」

「俺、掃除やる気0になった。」

教室の前で待っている生徒の姿を見たハルは言いました。