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「とりあえず、今のうちに片付けましょう。休み時間になると生徒たちがうろうろし始めるんで。」

前田先生と一緒にやってきた長瀬先生が言いました。長瀬先生の一声で集まった教師たちは箒を片手に後片付けを始めます。ハルも前田先生が持ってきた箒を手にします。すると、前田先生が言いました。

「ハル、授業の準備とか大丈夫なの？」

「はい、とりあえずなんとかなりそうです。それに、自分が担当してるクラスの出来事だし。」

「そういうところ、中学生の時から変わってないわね。」

「あっ、そっか、先生、彼女の中学生時代をご存知なんですよね。」

前田先生の発言を聞いた長瀬先生が言いました。

「はい、3年間ずっと関わってましたから。」

「昔から彼女は人のために一生懸命になるタイプだったんですね。高校時代もそうでした。」

そう言って長瀬先生は前田先生の発言に同意します。2人のやり取りをハルは照れくさそうに見ていました。

「なんか、すごく不思議な感覚です。」

「えっ？」

ハルの発言に前田先生も長瀬先生も不思議そうな表情を見せます。

「だって、こんなところで、中学〜高校の6年間の私が語られてるんで。」

前田先生に長瀬先生、それに亀梨先生もハルのその発言には笑いました。教室のガラスが割れたことは大惨事でしたが、前田先生と長瀬先生の会話に懐かしさを感じていたハルだったのでした。