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はるのかぜ

第67章 授業の準備進む

ハルの教育実習生活は1日1日が忙しく過ぎ去っていました。そんな中、ハルにはまもなく、大きな仕事が舞い込もうとしていたのでした。それは、教師としての本業、授業です。自分の授業の指導案をある程度作り上げたハルは職員室のパソコンで印刷の準備をしていました。印刷に向け最終チェックをしていると、ハルの背後から誰かが話しかけて来ました。

「それは、指導案ですか?」

振り向くとそこに居たのは中丸太一先生でした。中丸先生はハルの卒業後に青美中等教育学校へ赴任してきており、また、担当する学年も別の学年のためハルとは接点のない存在でした。ハルは一瞬戸惑いましたが、明るく話しかけてきた中丸先生をすぐに受け入れることができました。

「はい。今週あたりからそろそろ授業をやることになってまして。」

「そうですか。教育実習中はこれが大仕事ですよね。」

「そうですね。」

「ちなみに、何回目の提出ですか?」

「2回目です。」

「そっか、それは優秀だ。私が実習生の時なんか、5、6回書き直しさせられて大変でしたよ。すいませんね、お忙しいところ邪魔しちゃって。」

「いえいえ、声かけていただいて嬉しかったです。もし、時間空いてたら、是非研究授業、見に来てください。」

「わかりました。楽しみにしてます。」

そう言うと中丸先生はハルの隣のパソコンで何か調べ始めました。ハルも印刷のボタンを押して、作った指導案をプリントアウトします。プリンターから出てきた指導案をハルは再度確認します。内容に問題がないことを確認したハルは、そのまま国分先生のところへ向かいます。

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