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はるのかぜ

第72章 専門科目以外でも

生徒たちは操作を始めます。ここでも余裕を見せる生徒もいれば、操作に迷う生徒も居る状況です。ハルも生徒たちの様子を教室の後方から観察します。操作に迷ってる女子生徒を見かけたハルは声をかけます。

「それはコントロールキーを押しながらやるとできるよ。」

「えっ?ハル先生わかるんですか?」

「うん、大学でやってたからね。」

「えーっと、コントロール、コントロール…。」

「このボタン。」

「あっ、なった、なった。ハル先生ありがとう。」

「どういたしまして。」

 生徒が操作を終えた頃、再び国分先生が口を開きます。

「範囲指定は大丈夫そうだな。そしたら、次に行くぞ。今から実際にグラフを作ってみる。グラフの作り方だが、画面の上の所にある「挿入」を押してここから「グラフ」を選ぶと「グラフウィザード」が出てきます。」

 国分先生の一言で、生徒たちは再び操作を始めます。ハルは教室中を見渡して、操作に迷ってる生徒に声をかけます。

「挿入はここよ。」

「ありがとうございます。」

ハルはこの1時間、操作を苦手そうにしている生徒を必死でフォローしていきました。

 授業が終わった後、ハルはコンピュータ室で国分先生と話していました。

「内海、ありがとう。大活躍だったな。」

「いえ、実習感覚だったので私も楽しかったです。」

「そっか。後片付けは私でやるから、お前は引き続き、研究授業の準備を進めてくれ。」

「わかりました。」

担当科目以外の科目でしたが、ハルはしっかりと自分の任務を務めることができました。そして、国分先生の口からも出たように、ハルの研究授業はいよいよ目前に迫っているのでした。

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