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「授業については国分先生がおっしゃられてた様にとても堂々としてて、後で聞いててもしっかり聞き取れる声でした。なので、私も大きな問題点はないと思います。問題点を挙げるとするならば、すでに習ってるであろうところまで丁寧に教えていたので、そこは削ってもいいと思います。」

「わかりました。」

亀梨先生の言葉にハルが返答します。

「亀梨先生ありがとうございます。次は有岡先生お願いします。」

国分先生が今度は別の男性教師を指名しました。

「今まであまりお話しする機会はなかったと思いますが、6年の数学を主に担当している有岡と言います。授業を見させてもらっての感想ですが、今、亀梨先生が言われてたのと同意見で声はとても聞き取りやすい声量でした。ただ、亀梨先生がおっしゃられてた様に丁寧すぎるかなと感じる部分もありました。必要なことはもちろん教えなければならないところですが、1年間で教科書の内容を終わらせないといけないという意識も我々教師には必要となります。そこまで意識できるといいと思います。」

「わかりました。」

その後も、数名の数学の先生からのコメントをハルはしっかりと聴いていました。

「じゃあ、最後に校長先生お願いします。」

国分先生が草野校長を指名した瞬間、ハルの緊張感が一気に高まります。

「ひとまず、研究授業お疲れ様でした。大勢の先生方が見学に来られて、とても緊張されたかと思います。そんな中、他の先生からのコメントにもあったように、緊張感を表に出さず、堂々と授業ができていたと思います。実習生であれだけ堂々と授業ができたら大したもんです。」

「ありがとうございます。」

まだまだ教師として課題が残っている部分もありますが、ハルはひとまず、今回の研究授業は成功であることを感じました。そして、まもなく、生徒たちとお別れの瞬間がやって来るのでした。