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はるのかぜ

第75章 人がこんなに愛おしいとは

3週間に及んだ教育実習もいよいよ最終日となりました。ハルは4年2組の生徒たちに挨拶をします。

「短い間でしたが、本当にお世話になりました。私が授業を始めたばかりの頃には失敗もあり、皆さんにはご迷惑をおかけしました。でも、そんな私を皆さんは温かく見守ってくれたのが本当に嬉しかったです。今日で皆さんの元を離れることになりますが、皆さんのことは絶対に忘れません。3週間、ありがとうございました。」

ハルの声はいつの間にか涙声になっていました。そして、4年2組の生徒たちの拍手に包まれながらハルは教室を後にしました。

 すべての業務を終えた後、ハルはお世話になった先生1人1人に挨拶をします。

「亀梨先生、さっきは泣いてしまってすいませんでした。」

「いえいえ。この仕事、情が移るでしょ。」

「はい。」

「きっと、あなたが頑張った証よ。」

「本当にいい3週間が過ごせました。ありがとうございました。」

「こちらこそ、お疲れ様でした。」

続いてハルは前田先生の元へと向かいます。

「前田先生、お世話になりました。」

「お疲れ、ハル。やっと終わったわね。大変だったでしょ。」

「はい、あっという間の3週間でした。」

「でも、あれだけの授業ができたら大丈夫よ。いい先生になってね。」

「はい。」

今度は国分先生の元へと向かいます。

「国分先生、3週間お世話になりました。」

「おぅ、お疲れさん。3週間無遅刻無欠席でよく頑張ったな。」

「はい。」

「大変な3週間だったと思うが、お前にとってはこれからもまだまだ大変なことが待ってる。体に気をつけて頑張れよ。」

「はい、ありがとうございます。」

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