はるのかぜ
第77章 助けてくれたのは生徒だった
久々に大学に戻った日の夜、ハルは自分のベッドの上で教員採用試験の過去問題集を広げて目を通していました。しかし、内容が頭に入るどころか、ため息が度々漏れるだけでした。同時に、涼や麻里、それに達也が内々定を報告してきた時の笑顔がハルの頭には蘇ります。自分だけ置いていかれていることが、ハルにとってはショックだったのです。
翌朝、ハルは大学へと向かいました。学内を歩いていると突然背後から誰かがハルを呼びました。
「ハル先生!」
なぜか、呼びかける声は「ハル先生」と言っています。ハルが振り返ってみると、そこに居たのは教育実習でお世話になった4年2組の女子生徒でした。ハルは自分の目を疑いながら言いました。
「どうして、ここに居るの?」
「ハル先生、自信無くしてないかなぁって心配になって来ちゃいました。」
「そっか、わざわざ来てくれてありがとう。」
「実は、ハル先生に今から見せたい物があるんです。」
「何?」
「こっちに来てください。」
そう言うと女子生徒は突然走り出しました。ハルも慌てて追いかけます。校門が近づくに連れ、「ハル先生」と呼ぶ複数人の声が聞こえはじめました。校門の前には4年2組の生徒が全員集合していました。
翌朝、ハルは大学へと向かいました。学内を歩いていると突然背後から誰かがハルを呼びました。
「ハル先生!」
なぜか、呼びかける声は「ハル先生」と言っています。ハルが振り返ってみると、そこに居たのは教育実習でお世話になった4年2組の女子生徒でした。ハルは自分の目を疑いながら言いました。
「どうして、ここに居るの?」
「ハル先生、自信無くしてないかなぁって心配になって来ちゃいました。」
「そっか、わざわざ来てくれてありがとう。」
「実は、ハル先生に今から見せたい物があるんです。」
「何?」
「こっちに来てください。」
そう言うと女子生徒は突然走り出しました。ハルも慌てて追いかけます。校門が近づくに連れ、「ハル先生」と呼ぶ複数人の声が聞こえはじめました。校門の前には4年2組の生徒が全員集合していました。