『はるのかぜ』第78章「教育実習が楽しければ教師になれ」　162ページ

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はるのかぜ

第78章教育実習が楽しければ教師になれ

教育実習を終えたハルにはまだまだ大仕事が待っていました。それは、実習の様子を報告する教育実習報告会でした。ハルはなぜか、この報告会で司会進行を任されることになったのです。

「続いて、加藤先生からのお話です。」

ハルがそう言うと、加藤由紀先生が大講義室の教壇に立ちます。

「では皆さん、改めましてになりますが、教育実習お疲れ様でした。短い期間ではあったかと思いますが、実際に教育現場に出てみて、学んだことは多かったかと思います。皆さんがこれから教師になるためにはきっと有意義な時間であったことは間違いないと思います。ただ、皆さんにとっては、決してこの教育実習が最後ではありません。このあとすぐに全国各地で行われる教員採用試験があります。すでに受験に向けて手続きは済ませてあると思うので、あとは順次始まる試験に備えていきましょう。教員採用試験はかなり倍率が高く厳しいというお話を耳にすることはあるかと思います。それは事実です。しかし、狭き門であれど、入り口が全くない訳ではありません。その入り口に入れるかは皆さんの頑張り次第です。教師を目指すという希望を捨てず、最後まで頑張ってください。私からは以上です。」

加藤先生は一礼し、教壇を離れます。そして、そのままハルの元へやって来て言いました。

「内海さん、今日、今年から着任された教職課程担当の伊野尾智也先生が来られてるから、このあとお話していただこうと思ってるの。進行してもらっていい？」

「わかりました。」

加藤先生からの指示を受け、ハルはマイクを手に取り進行役を続けます。