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はるのかぜ

第78章 教育実習が楽しければ教師になれ

「続きまして、教職課程の伊野尾先生からのお話です。」

ハルの一言で、一人の男性が立ち上がり教壇へと向かいます。

「皆さんとはおそらく今日がはじめましてになると思います。今年度から本学に赴任しました伊野尾と言います。私はここ数年、いろんな大学の教職課程を担当させていただいているのですが、元々はと言うと学校現場で働いていた教師でした。現職時代は教諭から教頭、さらには校長まで経験させていただき、皆さんのような教育実習生も何人も担当させていただきました。そんな中で、実習生に私が長年言い続けて来たことがあります。それは、教育実習が楽しければあなたは教師になりなさいと言うことです。皆さんも教育実習に行かれて、各々感じたことはあったと思います。だからこそ、改めてお伝えします。今回の教育実習が楽しかったら、是非教師を目指して頑張ってください。以上です。」

そう言うと、伊野尾先生は一礼し教壇を離れていきました。

 ハルは、伊野尾先生の話を夢中になって聞いていました。特に「教育実習が楽しければあなたは教師になりなさい」と言うところが印象的だったのです。伊野尾先生の発言はまさに自分の事だとハルは感じていたのです。その言葉を胸に、ハルはいよいよ採用試験へと挑むのです。

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