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はるのかぜ

第86章 初授業、しかし…

「ハル先生、すばるのことなら放っといて大丈夫だよ。」

「でも。」

「1年の時から、数学の先生に当てられるたびにああやって出ていってたの。ハル先生が悪いんじゃないんだから。」

ハルは、すばるのことが心配でしたが、授業が遅れてもいけないし、比呂の言葉を信じて授業を続行することにしました。

 授業を終えたハルは、早速、副担任の森本先生にすばるとのトラブルについて話しました。

「佐久間ね。確かにあの子は1年の時から、西畑先生の授業中によく保健室に逃げたりしてたわね。」

「西畑先生?」

聞き慣れない名前を聞いたハルが不思議そうにしていると近くにいた玉森先生が言いました。

「去年まで担当されてた数学の先生です。西畑先生もしょっちゅう佐久間に逃げられたって言ってましたから。」

「そうそう。あの子は前からそういうことをしてたから、あなたの授業のやり方に何か問題があったわけじゃないわ。」

玉森先生の発言に続いて森本先生先生が励まします。

「そうだったんですね。」

玉森先生や森本先生の発言でハルもすばるがどんな生徒なのか認識します。しかし、それでもハルはすばるのことが気になって仕方なかったのでした。

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