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はるのかぜ

第8章 再び引き裂かれそうな道

中3になったハルにとって、1日1日が過ぎ去るのはとても早く感じていました。特に秋になってからは塾でも学校でも面談続きで、いよいよ進路を決める時期が近づいています。今日は塾で保護者を対象に面談が行われており、ハルの母、弥生は塾へと向かいました。

「こんにちは。いつもお世話になってます。」

「あっ、お世話になります。お待ちしておりました。こちらにどうぞ。」

そう言って弥生を教室に案内したのは、ハルの通う塾で最も長く勤務している正木光司先生です。

「えーっと、ハルさんは淡巻(あわまき)高校を志望されてるんですよね。」

「はい。」

「これまでの塾のテストの成績見てみますと50点満点の5教科平均が150点前後取れてますので、ボーダーラインにはいらっしゃるかと思います。」

「ちなみに、私としては淡巻はちょっと遠方かなぁって思ってまして、青美(せいび)高校も視野には入れてるんですよね。」

「ちなみに、ハルさんは高校卒業後の進路はどう考えられてるんでしょうか?」

「一応、大学へ行くつもりではいるみたいです。」

「そうですか。青美ですと淡巻よりも合格ラインは下がりますので、ハルさんの成績であれば、問題ないと思います。あと、淡巻は来年度から普通科ではなく、総合学科となるようでして、正直どのような教育課程になるか私どももわからない部分があります。」

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