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ある日の休み時間のことでした。小瀧慶一郎と中間智久、そして目黒章大の3人が廊下で話していました。

「今日学校に来る途中さ、こんなもん拾ったんだぜ！」

慶一郎はポケットから大きなスーパーボールを差し出し、智久と章大に見せました。

「でっけぇスーパーボール！」

智久が興味津々に言いました。

「よく見つけたなぁ。」

章大も続けて言います。

「しかもさぁ、これ結構跳ねるんだよ！」

そう言うと、慶一郎はスーパーボールをバウンドさせました。

「すげぇ、ちょっと借りてもいいか？」

章大が慶一郎に言いました。

「あぁ。」

そう言うと慶一郎は章大にスーパーボールを手渡します。すぐに章大は近くの壁をめがけて投げつけます。

「いいね、この跳ね返り！」

そう言って、章大はスーパーボールの跳ね返り具合を体感します。

「俺にも貸してくれ！」

智久がそう言うと、章大がスーパーボールを手渡します。受け取った智久は、スーパーボールを思いっきり壁に投げつけます。その直後、凄まじい音が聞こえました。智久が投げつけたスーパーボールは的を外れ、窓ガラスを直撃したのです。さらに、勢いで跳ね返ったスーパーボールは反対側の窓ガラスを直撃します。そして、スーパーボールはさらに跳ね返り、また反対側の窓ガラスを直撃しました。

　その音は職員室に居たハルの元にも聞こえました。自分のクラスの教室の方向から聞こえたような気はしましたが、とりあえず、聞こえなかったふりをしてそのまま仕事を続けました。

「コラーッ！誰だ！ガラスを割ったのは？」

廊下で突然怒鳴り声が聞こえました。声の主はたまたま近くに居合わせた知念教頭でした。

「君たちか！」

知念教頭は呆然と立ち尽くす3人の生徒に声をかけます。

　その頃ハルは職員室で仕事をしていました。

「内海先生！ちょっと来ていただけますか？」

ハルは険しい表情をした知念教頭を見て、なんとなく状況を察しました。知念教頭に連れられてたどり着いた先には慶一郎と智久と章大がいました。

「この3人ですが、窓ガラスを3枚割りました。」

知念教頭がハルに状況を説明します。

「じゃあ、まずはどうやってガラスが割れたのか説明しなさい！」

知念教頭は強い口調で言いました。