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はるのかぜ

第93章 中学生の恋物語

火災事故が起きた日の昼休み、ハルは早速、みのりを個別に呼びました。みのりは依然、放心状態のままです。

「大丈夫よ。怒るために呼んだんじゃないから。びっくりしたでしょ。実験中に火災事故が起こって。」

「はい。」

ハルはみのりに優しく声をかけましたが、みのりは力なく返答します。

「何かあった?さっきから元気ないけど。」

「私、もうダメ。」

そう言うと、みのりはその場に突っ伏せて泣き始めました。

「大丈夫、大丈夫。そりゃ、火災事故は起きちゃったけど、怪我人はいなかったから。」

「そうじゃなくて…」

「じゃあ、どうしたの。」

「私、もう志望校に行けない。」

「どうして?」

「この前、受けた模擬試験、志望校E判定で…。」

「それで、ずっと悩んでたの?」

「はい。」

「そっか。確かに目指して来たゴールに対して絶望的な結果が出たらショックよね。でも、濵田さん、高校は1つだけじゃないのよ。この高校に行くのが正解って言うのはないんだからね。」

「でも、金王(きんのう)高校じゃないとたっちょんとの関係も終わっちゃう。」

そう言うと、みのりは再び突っ伏せてしまいました。

「たっちょん?」

ハルが聞き返します。

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