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ある日の休み時間、3年5組の生徒たちは体育の授業のため、移動をしていました。河合秀明と深澤貴寛は、なぜか着替えが一足遅れており、大急ぎで廊下を走っていきます。

「やべぇぞ！急げ！」

貴寛が秀明に声をかけます。ハルは次の時間の授業のため、他のクラスの教室に向かっていました。2人はそんなハルの背後から猛スピードで駆け抜けていきます。

「2人とも気をつけてよ！」

ハルがそう声をかけた次の瞬間、秀明は足を滑らせました。秀明が壁に向かって倒れ込んだとき、片手が火災報知機のボタンに当たりました。学校中、非常ベルの轟音が鳴り響きます。

「ちょっと大丈夫？」

　騒動発生後、秀明とハルは知念教頭から呼び出されました。

「移動中にこけて火災報知機を鳴らすなんて落ち着きがない！常日頃から余裕を持った行動を心がけるように。」

知念教頭はいつものごとく強い口調で言いました。

「すいませんでした。」

秀明は弱々しく頭を下げます。

「それから、内海先生。3年5組は本当に問題ばかり起こしますね！ガラスを割ったり、火災事故起こしたり、そして今度は火災報知機を鳴らす！いったい3年5組はどうなってるんですか？」

「お騒がせしていることは申し訳ございません。でも、今回は私、はっきり見てました。火災報知機を押したのは明らかなアクシデントです！」

「内海先生、あなたには反省する気はないんですか？アクシデントだったら何でも起していいんですか？」

「確かに火災報知機を鳴らしたのは問題ですが、河合はわざと鳴らしたんじゃないんです！これまでの事件とは状況が違います！」

突然、教員同士の口論になり、秀明は気まずそうな表情をします。その時、ドアをノックする音が聞こえました。

「お二人とも一旦落ち着きましょう。」

そう言って柔らかい口調で仲裁に入ったのは山田校長でした。