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はるのかぜ

第95章 ハル VS 教頭先生

「教頭先生、おっしゃる通り、今回の騒動は起こしてはならないことです。しかし、内海先生のおっしゃる様にアクシデントであったとのことですし、生徒自身も反省してますから、今日はこの辺りで終わりにしませんか。」

「わかりました。」

山田校長の説得を知念教頭は渋々受け入れました。

 ハルはその後、校長室へと呼ばれました。

「すみません、さっきはお騒がせしてしまって。」

ハルは山田校長に向って、申し訳なさそうに言います。

「いえいえ、あのような発言が出るということは、内海先生は生徒のことをよく見てる証ですし、生徒をしっかり守ろうとする思いも感じられました。教師として持つべき思いです。」

「ありがとうございます。」

「内海先生もいろいろ大変だったでしょ。騒動が続いてたんで。」

「はい。」

「きっと溜まっていたことが込み上げてきた部分もあるんじゃないですか?」

「そうかもしれませんね。」

「生徒を守ろうとする思いはこれからも大切にしてください。ただし、生徒の前で教師同士の喧嘩は生徒を気まずくさせます。」

「はい。お騒がせしてすみません。」

「もし、お仕事のことで悩んでることがあったら、お話聴きますよ。」

「ありがとうございます。でも、日頃から森本先生や玉森先生にいろいろお話聴いてもらったりしてるので、大丈夫です。」

「そうですか。他の先生方ともうまくやれてるようで、安心しました。」

「いえ、校長先生こそ、気にかけていただきありがとうございました。」

山田校長のおかげで、今回のトラブルも収束へと向かいました。しかし、ハルはまだまだ3年5組の生徒に振り回されるのでした。

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