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はるのかぜ

第97章 サボり癖はエスカレート

「道枝先生、今日もお邪魔しま〜す!」

めぐみは慣れた口調で道枝先生に話しかけます。

「あらあら、日に日に仲間が増えて困ったわね。」

そう言いながらも道枝先生は優しい表情でめぐみに接します。

 その頃、同じ班の男子、貴久と翔も掃除場所に向かいかけていました。すると、突然、翔が言いました。

「なぁ、たまには俺たちもサボろうぜ!この前は女子がサボってたし。」

「でも、下手なことしたら連れ戻されるぞ。」

心配そうに貴久が言います。

「それがさぁ、俺、いい場所知ってるんだよ。行こうぜ!」

翔がそう言うと、貴久はついて行きました。

 翔と貴久が向かった先は放送室でした。そこには今日の放送当番の岩橋薫がいました。

「お邪魔しま〜す。」

「あっ、菊池くん。今日も委員会の伝達か何か?」

「いや、今日はちょっとサボりに。」

「それで平野くんまで居るんだ。」

「まぁね。お前も入れよ。」

翔はそう言うと、貴久を放送室に招き入れます。

「めっちゃ、慣れ親しんでるなぁ!」

翔の振る舞いに貴久が言いました。

「図書委員のお知らせとかで何度か来てるんだ。なぁ、薫。」

翔は言いました。

「そうそう、もう結構な回数来てるわね。」

「いいよなぁ、放送部は。掃除時間にこんな空間で過ごせて。」

貴久は羨ましそうに薫に言います。

「でもね、この時間はぼーっとできないの。時間を見ながら放送しないといけないからね。」

「なぁ、貴久。見ろよ!CDとかめっちゃあるだろう!」

翔は貴久に放送室の凄さを教えます。

 その頃ハルは生徒たちのサボり癖がエスカレートしていることなど全く知らなかったのでした。

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