『はるのかぜ』第102章「捕らえられていた真実」　210ページ

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はるのかぜ

第102章捕らえられていた真実

「藤ヶ谷先生、神宮寺くんのことお願いします。」

「内海先生…？」

万引きをしていないという博貴の発言を聞いたハルはそう言って部屋を出ていきました。そのままハルは店内の天井を隅々まで見渡します。しばらくして、ハルは先程誘導してくれた店員に声をかけます。

「すみません。神宮寺が万引きしているところを見かけたのはどの辺りでしたか？」

「えーっと、私が通りかかった時にあそこの通りでカバンの中に商品を入れる後ろ姿を見つけて、「万引き」って声を出したら逃げ出して、捕まえたのはこの隣の通りです。」

「わかりました。ちなみに、あそこの防犯カメラの映像って残ってますか？」

「えぇ。」

「見せてもらえますか？神宮寺は万引きしたのではなく、別の万引き犯とぶつかったと言っています。真実を確認させてもらえませんか？」

「は、はい。」

ハルの勢いの強さにやや驚きながら店員は返答しました。